環境・社会に「やさしい」商品やサービスで「共生社会」の実現を目指す
ユニ・チャーム株式会社 執行役員 ESG本部長  上田 健次
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Chapter 1
「SDGs達成への貢献をパーパスに掲げた経緯」
Chapter 2
「パーパス公表後の社内外の反応」
Chapter 3
「 Kyo-sei Life Vision 2030の具体的な取り組み 」
Chapter 4
「【環境目標2030】の具体的な取り組みや今後の展望」
Chapter 5
「ESG情報の開示方針」
Chapter 6
「視聴者へのメッセージ」
ユニ・チャーム株式会社
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2030年度

女性管理職比率

30%以上
2030年度

スコープ1GHG(CO2)総排出量

90%削減(2016年度基準)
2030年度

再生可能電力比率

100%
2030年度

バージン石化由来プラスチック比率

半減(2020年度基準)

会社紹介

ユニ・チャーム株式会社の紹介

ユニ・チャーム株式会社は、NOLA&DOLAの企業理念のもと、不織布・吸収体の加工・成形分野で培ってきた技術を活かした商品・サービスを提供する企業として、60年以上事業活動を続けています。当社は5つの事業(ウェルネスケア・ペットケア・フェミニンケア・ベビーケア・Kireiケア)で、約80の国と地域で展開し、高い評価を得ています。また、海外の売上高構成比は約70%となっており、従業員は16,000名を超えています。2020年には、ユニ・チャームのパーパス(存在意義)を「SDGsの達成に貢献する」こととし、ミッションを「共生社会」の実現としました。私たちが目指す「共生社会」とは、すべての人がどのような状況においても、お互いに尊重しながら支え合い、誰ひとり取り残されることなく自分らしく暮らし続けられる社会です。このような「共生社会」の実現に事業活動を通じて貢献したいと考えています。
※Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities
NOLA(生活者のさまざまな負担からの解放) DOLA(生活者一人ひとりの夢の実現)

ESG/SDGs経営の取り組み方

Kyo-sei Life Vision 2030の実現への取り組み

ユニ・チャームは、2020年に公表した中長期ESG目標である「 Kyo-sei Life Vision 2030」を掲げて、3カ年の事業戦略である中期経営計画を着実に実行することで「共生社会」の実現を目指しています。そのために、以下のような取り組みを行っています。
環境面では、鹿児島県志布志市や隣町の大崎町で使用済み紙パンツのリサイクル事業を進めており、リサイクル材を使用した大人用紙パンツの製造・テスト使用を開始しました。介護施設からは高い評価をいただいており、商業運転に移行する計画です。
また、2022年5月に開始したGHG排出量可視化プロジェクトでは、GHGプロトコルに基づいた排出量算定システムを構築し、2023年度から試験的に算定を進め、資材サプライヤーの協力を得て、商品別の精度の高いGHG排出量の算定に取り組み、2024年度には一部の商品で情報発信を目指しています。
社会面では、2019 年に“生理について気兼ねなく話せる社会”の実現を目指し、#NoBagForMe プロジェクトを発足しました。そのプロジェクトの一環として、2020 年から『ソフィ みんなの生理研修』を推進しています。受講した方からは、「チーム内の関係が良くなった」「周囲がサポートしてくれるようになった」などの声をいただいています。また、インドネシアでは現地法人が乳がん財団と協力し、生理用品ブランドを通じてセルフチェックの啓発を行っています。さらに、インドでは女性の経済的自立支援のためのプロジェクトを実施し、女性起業家の支援や月経に関する正しい知識の啓発活動を行っています。
ガバナンス面では、2020 年より取締役および執行役員の評価指標に ESG 項目を導入し、2023年からは一般社員にまで拡大しています。「Kyo-sei Life Vision 2030」推進に関連する活動を具体的に設定しています。

環境課題に対する取り組み

再生可能電力への切り替え

私たちは2030年までに、事業活動に使用するすべての電力に占める再生可能エネルギーの比率を100%にすることを目指しています。これまでに、日本の5工場と中国・インドネシアの合計4工場で再生可能エネルギーを導入し、CO2排出量削減に取り組んでいます。

プラスチック使用量の削減

私たちは2030年までに、プラスチックに占めるバージン石化由来プラスチックの比率を半減(2020年比)することを目指しています。その一環として、インドネシア現地法人では、環境配慮型商品の発売を続け、バイオマテリアルを使用した生理用品を提供し、プラスチックを含むゴミの削減と消費者への啓発を目指しています。また、グループ全体では、商品やパッケージだけでなく、販促物においてもプラスチック使用量の削減を目指し、2025年までに50%削減、2030年までにはゼロを目指しています。

廃棄物の削減とリサイクル

私たちは衛生的な消費財を提供するメーカーとして、2030年までに正しい廃棄方法の啓発やリサイクル活動を全社で展開することを目指しています。これまでの取り組みとして、生産拠点で発生する紙パンツの製品ロスや端材(トリム)などのリサイクルをグループ全体で推進し、日本の生産拠点では99.3%のリサイクル率を達成し、15年連続でゼロエミッションを維持しています。タイの現地法人でも97%の廃棄物をリサイクルし、埋立廃棄物ゼロを実現しました。また、紙パンツリサイクルシステムでは、使用済み紙パンツを洗浄・処理し、安全なパルプとして再生。鹿児島県の介護施設でリサイクル材を使用した『ライフリー』のテスト使用を開始。100人分の使用済み大人用紙パンツを1年間にわたりリサイクルした場合、ごみ収集車( 2ton) 23台分のごみを減らすことが可能となりました。

社会課題に対する取り組み

人権尊重

当社は創業以来「人間尊重」を経営方針に掲げ、2017年には「ユニ・チャームグループ人権方針」を制定し、国際的な人権基準に基づく人権への配慮を明示しています。また、現地法人経営や地産地消、すべてのサプライヤーと公平で公正な関係を保つことを目的に、「ユニ・チャームグループサスティナブル調達ガイドライン」を制定し、運用しています。これらの取り組みを通じて、強制労働や児童労働を排除し、子どもの権利尊重、差別撤廃、結社・団体交渉の権利保障、労働時間削減、最低賃金配慮を確認しています。

人的資本の取り組み

全社員向けの「DX人材基礎研修」や自ら異動希望を出すことができる「キャリアチャレンジ制度」の導入など、スキル向上やキャリア開発のための研修プログラムや教育制度を提供しています。女性メンター制度「Room L+」の開始や「産休育休Room L+」の設置など、女性活躍推進策も実施しており、女性管理職比率は2022年度で23.2%(日本14.4%、海外29.2%)となっています。また、性的マイノリティへの理解を深めるためにeラーニングや階層別研修での啓発を進めています。
※下段写真は、インドにおける製造部門でのハラスメント研修の様子

職場環境づくり

働く場所を自分で選択できるリモートワークや勤務間インターバルの確保、時間外労働のモニタリング、有給休暇取得の推奨、ノー残業デーなどの導入やフレックスタイムのコアタイム廃止、休日の電話・メール禁止など、健康的な働き方を推進しています。また、副業制度の導入や仕事と育児の両立のために、育児休業制度を子どもが2歳の誕生日を迎えるまで取得可能とし、取得率は95%を超えています。

ガバナンス課題に対する取り組み

マネジメント体制

執行に対する取締役会の監督機能を強化するため監査等委員会を設置しています。監査等委員が内部統制システムを活用し監査を行い、適切な協働関係と事業活動倫理を維持しています。また、指名委員会と報酬委員会を設置し、取締役・執行役員の候補者指名と報酬決定の透明性と客観性を確保しています。

公正な事業慣行

当社はインサイダー取引を防止するため「インサイダー取引防止規程」を定めています。また、「サスティナブル調達ガイドライン」では法令遵守、公正な取引、贈賄禁止などを明示し、包括的な腐敗防止を推進しています。内部通報窓口「Compliance Hotline」も設置し、法令違反や倫理違反に関する相談・通報を受け付けています。

リスクマネジメント

情報セキュリティの徹底のためにポリシー・規程を定め、厳格な管理と漏洩防止を実施しています。これらの運用のために、情報管理セキュリティ委員会を設置し、従業員教育とモニタリングを実施しています。また、「危機管理情報サイト」をイントラネット上に開設し、日本および海外で勤務する社員の人命に関わるリスクに特化した情報を発信しています。
ユニ・チャーム株式会社
会社概要
本社住所 東京都港区三田3-5-19住友不動産東京三田ガーデンタワー
代表者名 高原 豪久
創業 1961年2月10日
社員数 グループ合計16,206名(2022年12月)
業界名 化学
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